うちの学校に来ないでいい。

マレーシアの風に吹かれて

第三回:僕の友達は戦争で死んだ〜学校の子ども達に伝えることがある〜

 【第三回:駐在妻まなみさん(20代女性)】

 

 お久しぶりです!ひっそりえりこですー!みなさんいかがお過ごしでしょうか。日本にいる方はもう冬ですね・・!

 

と、いうわけで、前回の更新からだいぶ時間が経ってしまいました。

定期更新を心がけたいものですが、まだ文章におこしてすらいない生徒さんのお話もいくつか溜まりにけり…と言った現状です^^;記憶が新しいうちに書かなきゃ…

 

さて今回は旦那様の駐在に伴ってマレーシアに来られたいわゆる「駐在妻」のまなみさんをご紹介します。

ワーキングビザをお持ちでないということで、現在はお仕事をされていませんが、日本では学校の先生をやられていたそうです。そんな背景もあり、現役の学生とはまた一味違った視点からのお話を聞けました。↓↓

 

 

 

まなみさん(20代女性)

・旦那さんの海外転勤のため一年半前にマレーシアへ

・日本では中学校の家庭科の先生

・インターナショナルイングリッシュコースレベル6から8まで、断続的に在籍

 

 なかなか英語の勉強にとりかかれなかった

(急に転勤が決まり、バタバタでマレーシアに来られたと聞いたのですが、マレーシアの印象はどのような感じでしたか。)

 

とにかく人種が多い!そこかしこからいろんな言葉も聞こえてくるし、顔立ちも多様だし、日本にはない環境だなあと思いました。

 

(そうですね。英語が通じるって聞いていても、実際に来てみるとマレー語はもちろん、中国語、アラビア語等々、異国語が溢れていますね。)

 

はい。中でも中国語を使う人が多いので、中国語ができたら便利なのかなと感じました。もともと英語が話せないので、(勉強を)やらなきゃ!とも思いました。

 

(ふむふむ。ですが、エリカンに来られたのはマレーシアに来てから10ヶ月ほど経ってからでしたね。それまではどのように過ごされていたんですか。)

 

最初はよく出かけていました。国立博物館とか、美術館とか。マレーシア観光ですね。あと家の近くにはショッピングセンターも多いので、よく見て周っていました。それ以外だと、布を買い込んで自分で服を作ったりもしました。その頃はオンライン英会話をやっていて、一日20分のレッスンがありました。その後ネットの接続が悪くなってやめてしまいましたが。やらなきゃやらなきゃとは思いつつ、重い腰が上がらなくて語学学校には行き始められませんでした(笑)

 

(自分で服を!さすが家庭科の先生(笑)なかなかエンジョイされていたみたいですね。)

 

はい。せっかく滞在中は専業主婦をやらせてもらっていて、働いていた時に比べると自由な時間が多くあるので。ありがたいですね。ただ勉強となると、いくら時間があっても、なかなか集中して取りかかれないんですよね(笑)

 

(すごくわかります。予定がカツカツの方が案外集中できたりしますね。それに時間があるとはいえ、学校の授業は朝9時から午後まであるので、お手軽なオンライン英会話に比べるとちょっと覚悟がいりますね。ちなみに日本人のお友達とかはいらっしゃるんでしょうか。)

同じマンションにも二世帯、日本人家族が住んでいますし、マレーシアの日本人会に顔を出したりもするので、日本人の知り合いは多いですね。むしろ買い物でも簡単な単語さえわかれば困ることがないので、学校に行っていない期間はほとんど日本語しか使わないです。

 

(英語が話せなくても十分生活できる、と言うことですね。)

 

はい。マレーシアに来る前は、海外に行くのなら当然英語ができるようになって帰って来るのかなと思っていましたが、全然でしたね(笑)

 

(学校に行こうと思った理由はなんですか。)

 

一つには、滞在一年目以内ならば旦那さんの会社から語学学校の費用の一部補助があったことです。せっかくだし、無駄になっては勿体無いなと思い、ついに学校探しを始めました。エリカンの学費だと、ちょうど1ヶ月分くらいの額でしたね。

 

(なるほど。学校を選ぶ上で気にしていたことはなんですか。)

 

まず日本人がいないことが一番の理由です。あとは補助以外は自腹になるので学費。他の語学学校に通っていた日本人の奥さんの友達がいるのですが、そこは日本人の学生が多かったそうで、やっぱりついつい日本語で話しがちだったと聞きました。学校に行くのならば、普段触れる機会が少ない分、英語漬けの環境がいいなと思いました。

 

肌で感じる異文化、異環境

(ふむふむ。ではエリカンに通ってみてよかったことはなんですか。)

 

外国人の友達ができたこと、めちゃめちゃな英語でもまず喋ってみようと思えたこと、異文化にたくさん触れられたことです。みんな英語を勉強する目的で来ているので、会話の練習も兼ねてクラスメートと話す機会が多くてよかったです。

あ、一つすごく覚えていることがあります。学校の遠足で滝を見に行った時、行きのバスで27歳のシリア人の男の子と席が隣だったんです。その時に見せてもらったWhatsup(マレーシアで主に使われているメッセンジャーアプリ)のプロフィール画面の写真が彼自身のものではなくて…弟か誰かかな、と思って聞いたんです。そしたら彼曰く、つい先週戦死した友人の写真だと。本当にショックでした。追悼の意味でプロフィール画像にしていたのかな。きっと悲しいはずなのに、普通の穏やかなトーンで話してくれたのが印象的です。

 

(そんなことがあったんですね。平成の日本では考えられないですね。)

 

他にも、宗教的な話でハッとさせられたことも多かったです。例えばアラビックの友達に「ラマダン(断食)しなきゃいけないの大変だね。私はそもそもビールが好きだから、お酒が飲めないのも辛いな。」って言ったんです。そしたら「全く強要されてやってるわけじゃないよ。イスラム教の神様を信じるからこそ、毎日のお祈りも、ラマダンの期間も当たり前のことなんだ」って。あと「まなみは何の神様を信じているの」と聞かれた時に、特にないし、日本の若い人にはそういう人が多いんじゃないかなって言ったら「You are sad.」って言われたんです。びっくりしたけど、彼らからすると、信仰がないということは、心細くて、悲しいことなんだなと。私たち日本人って今は特定の宗教を信仰する人も減って来たけど、無宗教であることをそうも捉えられるんだなと気づかされました。

 

(その発想はなかったです。私も特に〇〇教を信仰しているということはありません。両親が宗教そのものに好意的ではなく、昔から信仰というものに縁がありませんでした。その状態をどちらかといえば良いことのように思っていました。何にも縛られないようで。)

 

本当に宗教観はいろいろありますね。でも、すごくいい経験ができたと思います。日本でも社会の授業でキリスト教イスラム教などの主な宗教の特徴は勉強するけれど、マレーシアに来て、それは表面的なものだったんだなと思いました。実際にいろんな信仰を持つ人たちと話してみて、気づかされることが多かったです。生きた宗教に触れた感じ。マレーシアで得たものを一教師として、学校に戻ったら、子供達に伝えていきたいなと思いました。

 

(駐在妻としての経験を、教育に還元する、素敵ですね!)

 

世界って思ったよりも小さいんだなとも思ったんです。日本の企業もたくさんこっちに来ているし、スーパーにはキューピーのマヨネーズも売っているし。それって日本の資本が海外に進出していることの現れですよね。こういう世の中で生きて行くのなら、いろんなバックグラウンドを持った人がいることを知ることは大事だと思います。

 

(最後にエリカンでの生活の感想をいただいて良いですか。)

ゆるい所のある学校だから、好き嫌いはあると思いますが、私は楽しかったので戻れるならまた戻りたいなと思います。

 

(もうすぐお子さんが生まれるんですよね!)

 

はい。もうそろそろで生まれる予定です。

(赤ちゃん、元気に生まれると良いですね!生まれながらに異文化にも触れられるの、良いですね。今日はありがとうございました。)

 

ありがとうございました。

 

f:id:erican-malaysia:20181129160822j:plain

 

お話の後一緒に学校近くの韓国料理屋さんにお昼ご飯を食べに行きました。マシソヨ〜^^

 

留学すると異文化体験ができる!とか海外の友達ができる!とはよく言いますが、そこで得たものをどうアウトプットしていくかも大事だなあと考えさせられました。経験を自分だけでなく、誰かの成長にも繋げられたら素敵ですね。

 

 また次の記事でお会いしましょう〜!